環境清掃関連施設見学会報告

環境清掃関連施設見学会報告
                           防犯部 山森俊治
★見学会の概要
 令和5年11月22日(水)、練馬区環境清掃推進会主催の環境清掃関連施設見学会に参加いたしました。この見学会は、東京湾の埋め立て地や資源ごみのリサイクル工場などの現場を見学し、廃棄物の処理と埋立の取り組みについて理解を深めることを目的としております。桜台親和町会からは、私と吉川氏の2名が参加いたしました。
★見学の流れ
 見学者は、13:00に練馬区役所本庁舎前に集合し、区民や区内の町会関係者など約100名が大型バス2台に分乗し、ツアーに出発しました。14:15に現地に到着し、まずバスの中で環境清掃推進連絡会の担当者からDVDによる概要説明と、中央防波堤外側埋め立て処分場および新海面処分場の見学の流れについての説明を受けました。 次に、両処分場(埋立地)の見学に移りました。家庭等から出る粗大ごみや不燃ごみは、それぞれ、粗大ごみ破砕処理施設や不燃ごみ処理センター(中央防波堤内側埋立地内)で処理されるとのことでしたので、まず、これらの施設を見学しました。

 不燃ごみや粗大ごみは、破砕・圧縮・分別などの中間処理を経て、埋立に適した形にされます。最終的には15cm以下に破砕され、鉄分を選別後、不燃系残渣や可燃系残渣の焼却灰などが埋め立て処分されるとのことでした。可燃ごみは焼却施設で燃やされ、元の20分の1に処理された後、新海面処分場で埋立に使われます。
 23区内で発生する一般廃棄物や産業廃棄物の一部は埋め立て処分されています。現在、廃棄物の埋立ては、「中央防波堤外側埋立処分場」および「新海面処分場」で行われています。
 • 中央防波堤外側埋立処分場:埋立処分場の面積は314ヘクタール(うち廃棄物埋立て199ヘクタール)。昭和52年より埋立処理開始。
 • 新海面処分場:面積は480ヘクタール(うち廃棄物埋立て319ヘクタール)。6箇所のブロックからなっており、こちらでも平成10年から埋立てが始まり、一部のブロックは外周護岸工事を並行しながら埋立て処理が行われている。
 埋立処分場では、サンドイッチ埋立工法を採用しており、これは廃棄物の上下に砂を敷き詰めて圧縮することで、廃棄物の体積を減らし、浸出水の発生を抑える工法です。また、埋立処分場では、廃棄物の分解によって発生するメタンガスを回収し、発電や熱利用に活用しています。埋立処分場は限りある資源であり、東京23区が使用できる「最後の埋立処分場」となっています。覆土が終了した部分は今後、緑化やレクリエーション施設として活用する計画が進められています。
見学会の感想
 見学会では、東京都が行っている廃棄物の処理と埋立の取り組みについて、多くの知識と理解を得ることができました。
近年、海に流れたプラスチックごみは、紫外線で粒子状(1ミクロン以下のマイクロプラスチック)になり、プランクトンにより更に小さなナノプラスチックに分解され水生生物の血液や組織に取り込まれることが分かりつつあります。これらが、海洋汚染や人間の健康に悪影響を及ぼす恐れがあることが注目されていますが、見学会では、廃棄物の発生抑制を行い、埋立処分場をできるだけ長持ちさせることが喫緊の課題であることを改めて認識したと共にプラスチックだけでなく、ゴミ全体の分別収集や廃棄物の発生抑制の重要性を感じました。加えて、未来のために、ごみや廃プラスチックから水素ガスを取り出すなどの次世代型廃棄物処理システムの事業化推進の必要性を考えるきっかけになりました。
 見学会は、17:00に練馬区役所前で解散いたしました。 

以下の写真は粗大ごみ破砕処理施設の風景